昨今、美容界隈で耳にすることが多くなったレチノール。
ビタミンAとも呼ばれたり、刺激がやや強めの成分としても知られているけど、そもそもレチノールとは何なのでしょうか?
今回はそんな疑問を解決しつつ、メリット・デメリットについてもお話ししていこうと思います。
レチノールとビタミンAは一緒?
レチノールとはビタミンAの一種です。
ビタミンAには主に5種類の形態があり、
- パルミチン酸レチノール
- 酢酸レチノール
- レチノール
- レチナール
- レチノイン酸
これらを総称してビタミンAと呼んでいるのです。
肌に含まれるビタミンAは、約90%がパルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどのレチニルエステルと呼ばれるもので、残りの10%は、レチノール、レチナール、レチノイン酸が大体同じ割合で含まれています。
2017年に厚労省がレチノールを医薬部外品成分として、“シワ改善の効果がある”と認め、そこからより認知度の高い美容成分となりました。
レチノールがもたらす効果は?
一般的にレチノールが配合されているスキンケアや化粧品等で謳われている効果としては
- ニキビやニキビ跡の改善
- シワ改善
- くすみ改善
- 毛穴の黒ずみ、たるみ改善
等です。では実際にこのような効果は本当にあるのでしょうか。
ニキビやニキビ跡の改善には?
レチノールには、炎症のある部分の症状を抑えたり、腫瘍(しゅよう)を抑制する効果があります。
腫瘍(しゅよう)とは、身体の中にできた細胞の塊のことです。
その為、できたばかりのニキビから重症のニキビまで幅広く使うことが出来ます。しかし、逆に炎症を引き起こしてしまう場合もあるので注意が必要です。
所謂、「レチノイド反応」と言われるものが代表的な例です。「A反応」や「レチノール反応」とも言われています。
シワ改善には効果があるの?
レチノールを肌に塗布することによるシワ改善のメカニズムはこうです。
レチノールは表皮細胞に働きかけ細胞分裂の速度を早めることが知られています。表皮というのは細胞分裂を繰り返しながら新しい細胞を形成しています。
分裂速度を早めていき、結果として表皮細胞の数が増えることにより、表皮を厚くするという効果があるのです。
シワができるのは加齢による人体の変化ですが、そのシワという変化をレチノールが持つ『表皮を厚くする』という働きで、人体へ変化を起こさせてシワを目立たなくさせる。という効果を狙ってレチノールが使用されています。冒頭で2017年にシワ改善の効果が認められたとお話しましたが、この作用による効果ですね。
レチノールによる体内からのアプローチ
レチノールを肌に塗布することによるシワ改善の効果は認められていますが、体内からの作用、すなわちレチノールが持つ抗酸化作用による直接的なシワ改善のエビデンスは残念ながら示されていません。
くすみ改善には効果ある?
繰り返しになりますが、レチノールには表皮細胞に働きかける力があります。
分かりやすく一言で言うと、表皮の新陳代謝を促す作用があるんですね。新陳代謝が活発になると、余分な角質が取り除かれ、加齢によるごわつきを改善しながらキメが整えられます。
また、メラニン色素が排出されやすくなりますので、くすみの改善に期待できると言えるでしょう。
毛穴の黒ずみ・毛穴のたるみへの効果は?
毛穴の黒ずみの原因は様々ありますが、肌のメラニンが上手く排出されずに蓄積されることで色素沈着が起こり、毛穴が黒ずんで見えることがあります。
こちらはくすみ同様、新陳代謝が活発になることによって古い角質とメラニンが排出されるようになり、色素沈着が改善され、結果的に毛穴の黒ずみの改善につながります。
また、レチノールにはコラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌に潤いやハリを与える作用があります。たるんでしまった毛穴がハリを取り戻すことにより、毛穴の開きを抑えることができるといえるでしょう。
レチノールを使用するメリット
効果が認められいる
既にお話ししている通り、レチノールを肌に塗布した際の効果については認められており、様々なスキンケアブランドからレチノール配合の商品が発売されています。
使用する1番のメリットといえば、やはり効果が認められているということではないでしょうか。
低濃度であれば簡単に手に入れやすい
また、比較的低濃度であればドラッグストアやネット通販で簡単に手に入ることができるのもメリットと言えますね。
レチノールを使用するデメリット
レチノールを使用する際に一番気をつけたいのが副作用です。
レチノイド反応
代表的なものが「レチノイド反応」、通称「A反応」です。
これは、ビタミンAが不足している肌(新陳代謝の遅い眠っていた肌)に、急に多くのビタミンAを補給したとき肌の新陳代謝が促されることによって、稀に起こる反応のことです。一時的に、乾燥や皮剥け、赤み、かゆみなどが生じます。
使い始めにみられる
これらは使い始めに多く、レチノールの種類、濃度、肌質によって異なりますが、レチノイド反応が収まるまでの期間は数週間〜2ヶ月程度です。
使い始めは反応がなかったのに、途中から現れるパターンもあります。これは、レチノール以外の要因(ニキビ、アトピー、日焼けなどの疾患、ホルモンバランス、他のスキンケア等)で肌が荒れたタイミングでレチノールを使用してしまった場合に多いとされています。
高濃度のレチノールを使用するほど起こる
レチノールが高濃度であるほどレチノイド反応は強く起こります。急に肌に入ってきたビタミンAが濃ければ濃いほど反応が強いと言うのは言わずもがなですね。
高濃度になると医療機関や専売店でしか買えない
レチノールは高濃度になればなるほど副作用も大きいので、その人に合った濃度や使用頻度などを見極めて処方してもらう必要があります。また、購入時の判断だけでなく、使用中に問題が出てきたり、レチノイド反応が逆に炎症をもたらしてしまったとき、個人の判断では取り返しのつかないことになってしまうことも考えられます。その点からすると、高濃度の商品が簡単に購入できないのはデメリットでもありますが、使用者の安全安心の為のルールと言えるでしょう。
レチノールを購入・使用する際の注意点
これまでの解説を踏まえて、購入・使用する際の注意点をまとめてみました。
- 初めて使う際は低濃度から、低頻度で試してみる
- 使用する濃度を上げたい場合は、レチノールを取り扱う医療機関や専門店でカウンセリング後に処方してもらう
- レチノイド反応が出る可能性を加味して、大事な予定の直前には使用しない
- レチノイド反応により炎症が悪化してしまった場合、使用を中止し、医師に診てもらう
まとめ
私がレチノールについて調べて得た感想は、『レチノール使用って、ハイリスクハイリターンだなあ!』ということです。もちろん低濃度になればレチノイド反応のリスクも低減されますが、濃度を上げたり、より高い効果を求めるとなると、それによる副作用は切っても切れません。
と、なんだか他人事の様に書いていますが、実は私も現在レチノールによる肌質改善の真っ只中なのです(笑)長年アトピーに悩まされ、現在ようやっと改善に向けて一歩踏み出していることろです。
実際に使用した効果や、様々な商品のレビューなども投稿していきたいと思いますので、少しでも同じような悩みを抱える方の参考になれば幸いです。
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